株式会社エコビルド

BLOGブログ

2025.11.16

【第1回】UA値0.28という“すごい数字”の本当の意味 ─ 性能競争から暮らしの設計へ

 最近、住宅会社のカタログや広告でよく目にするようになった「UA値0.28W/㎡・K」「C値0.32㎠/㎡」という数字。

これは断熱・気密性能の指標で、パワービルダーが主力商品の標準仕様として掲げている性能です。

断熱材は吹付発泡ウレタン、窓はトリプルガラス樹脂サッシ、外張り+内断熱のダブル断熱、そして全棟気密測定という徹底ぶり。性能だけを見れば、業界最高クラスと言えます。

では、この数値が高ければ高いほど、住み心地の良い家になるのでしょうか?

答えは「YESであり、NO」です。

UA値とは「家の断熱性能」を示す数字で “熱が逃げにくいかどうか” を示すだけで、「体感として快適かどうか」までを示すものではありません。

大切な事は、性能を保持しつつ、住まいへの要望を加味しつつ、どう考えていくか、つまり「家をデザインすることです。例えば

・冬の日差しがきちんと入る設計かどうか

・夏の直射日光を遮れるか

・湿度をどう扱うか

・換気と空気の流れが設計されているか

・素材や仕上げが体感温度に影響していないか

などなど。考えればきりがありません。

こういった“数値では測れない要素”、“目に見えない要素”が、暮らし心地には大きく影響するのです。

エコビルドが重視しているのは、「暮らしの質」です。もちろん高断熱は当たり前ですが、それ以上に大切なのは 「どんな空気感で過ごせるか」「温度の変化を感じずに暮らせるか」 という“見えない快適性”です。

だから、数字を追いかけるのではなく“性能を暮らしにどう活かすか”を設計するというスタンスをとっています。

一方、躍進するパワービルダーのように、性能を数字で可視化し、全棟測定で保証するアプローチも、とても合理的で分かりやすい方法です。比較検討しやすく、誰にとっても理解しやすいメリットがあります。

家創りで大切な事は、数値で性能を保証したうえで、体感を考えて設計して快適性の質を高める事と考えています。これは“価値観の違い”と言えます。

高断熱・高気密は今や当たり前。その次に問われるのは、「家族がそこでどう心地良く暮らせるか」を徹底的な考えることです。

次回は、高断熱裏側にある「メリットと落とし穴」を深掘りします。

開催中のイベントはこちら

家づくりのこと・見学会・セミナーなど随時開催中